2024/11/15 18:09
〈kiji arita〉は佐賀県有田町でかつて作られ、保管されていたデッドストックの生地(絵付けや釉薬が施される前の素焼きの状態のもの)を再解釈し、その形状を際立たせる統一した釉薬によって完成させることで新たな作品を生み出しています。
基本的には全て製造停止となった生地を利用しており、保管されていた在庫がなくなり次第その形状は販売終了となり、その後別の形状を新たにコレクションに追加することでラインナップ自体が流動的に変化していくような手法で運営されています。
青にも緑にも見える特徴的な釉薬の色は、自然豊かな有田ダムをイメージして独自に開発されたもの。
底にはあえて釉薬をかけずに、有田焼本来の白色を活かしたコントラストが印象的なデザインになっています。
また、各作品の底面には、手書きで小さくその形状がデザインされた年が記されています。
MAでは現在展開されているコレクションから、異なる年代と形状をお楽しみいただけるようにその形状がデザインされた年代のより古いものと、逆に現代のものが混在するようにセレクトさせていただきました。
失われつつある高度な手仕事の技術が込められた多様な形状の生地が製造停止によって廃棄されていくことに疑問をもったディレクターの石澤依子さんとオランダ人アーティストのSander Wassink(サンダー・ワッシンク)さんによって生まれたkiji arita。
その形、その色、その素材。
記憶と時の移ろいが垣間見えるコレクションをぜひご覧くださいませ。